科学研究費助成事業_2021年度

2021年度 科学研究費助成事業採択者

基盤研究(B)

氏名?職名 小池隆生 経済学部教授
研究課題名 「生活最低限」の地域性と貧困の「農村的性格」を基礎にした貧困対策に関する調査研究
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本研究は、貧困対策の効果的な実施に資する根拠として、人々が暮らす場所の特徴(=「地域性」)を、どのように織り込み踏まえることができるのか、また、地域生活の「最低限」の違いがどのようなものであるのかについて、農村部(岩手県岩泉町および西和賀町)と都市部(岩手県盛岡市および神奈川県川崎市)との比較調査から明らかにします。その際、注目するのは生活様式です。研究目的のために、地域で異なる生活様式に関する量的ならびに質的調査を実施します。
氏名?職名 飯考行 法学部教授
研究課題名 津波?事故死亡事案における犠牲者遺族の活動と法と社会への影響に関する実証研究
氏名?職名 黒田 友哉 法学部准教授
研究課題名 1970年代の日米欧三極国際秩序の模索―日米関係史と日欧関係史の総合化の試み
氏名?職名 渡辺達朗 商学部教授
研究課題名 商店街の多様性とコミュニティ対応力の評価:地域商店街活性化法の効果検証の観点から
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全国の商店街で空き店舗の増加、営業不審などの衰退傾向が続いています。そうした傾向は、コロナ禍による外出や営業の自粛などを通じて、加速されています。この研究では、商店街を構成する店舗が多様であればあるほど、そして地域コミュニティのさまざまなニーズへの対応力が高ければ高いほど、その商店街の持続可能性が高まるとの考え方に基づいて、各地の商店街の実状を詳しく調査し、課題の解決方法等について検討します。
氏名?職名 中原孝信 商学部准教授
研究課題名 味の知覚に対する相互作用のモデル化と感性を考慮した推薦システムの構築
氏名?職名 高岡貞夫 文学部教授
研究課題名 高山地域のジオダイバーシティが生物多様性創出に果たす役割
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山岳地域の湖沼は古くから研究対象となってきましたが、高山帯に点在する、雨水や雪解け水を集めた小さな池は注目されてきませんでした。しかし、水域が限られる高山帯では、案外このような小さな池こそが生物多様性を高めることに役立っているのではないかと予想しています。池を利用する動植物の調査のみならず、地形学や水文学など自然地理学の視点も合わせることによって、学問の垣根を超えた高山池沼の総合研究を目指します。
氏名?職名 望月俊男 ネットワーク情報学部准教授
研究課題名 一見矛盾する事実から真実を導き出す能力を育む協調学習環境の開発と実践的評価
氏名?職名 金井雅之 人間科学部教授
研究課題名 アジア型ウェルビーイングの社会的メカニズムを解明する国際共同研究
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自分が幸せだと思う人はなぜそう感じるのでしょうか。お金があるから? 家族とよい関係を築けているから? それともやりがいのある仕事ができているからでしょうか。幸せと感じるかどうかは個人の主観の問題ですが、幸せになるための条件は他人や社会のあり方に左右されます。そこでこの研究では、日本を含むアジア8ヶ国の研究者が協力して各国の一般市民にインタビュー調査をおこない、アジアにおける幸せの社会的条件を探ります。
氏名?職名 越智博美 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 グローバル冷戦下の米文学?文化研究―文化の相互変容プロセスの実証/理論的国際研究
氏名?職名 成田雅彦 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 癒しと再生のロマン主義―グリーンケアをめぐる環大西洋エコロジーの展開と現代性
氏名?職名 土屋昌明 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 道教の洞天思想における聖地と巡礼の調査研究およびその東アジア思想文化史への影響
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中国の山には数多くの洞窟が存在し、そこに神が住んでいると考えられた。そのため、そこは聖地とされ、祈りや修行がおこなわれた。本研究は、こうした聖地がどう発生し発展したか、そこでの祈りや修行はどんなだったか、そこへの巡礼はどうおこなわれたか、こうした考えが東アジアの考え方や文化の歴史にどう影響したかなどを、文献の読解と現地調査で解明し、それによって中国の宗教?思想?文学の特徴を解明する。
氏名?職名 三枝令子 国際コミュニケーション学部特任教授
研究課題名 日本国内で医師をめざす外国人を対象とした医学語彙教材開発のための総合的研究
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世界的な規模で人が移動するようになり、日本でも外国人で日本の医師国家資格を持つ人が求められています。しかし、これまで外国人への医学教育は制度的に行われたことはなく、その方法もよくわかっていません。医学教育では、まず医学用語の習得が不可欠です。この研究では、日本の医師国家資格取得を目指す外国人のために、日本語教育、コーパス言語学等の手法を用いて、医学用語の調査研究と教材作成を行い、効果のある支援を目指します。

基盤研究(C)

氏名?職名 泉留維 経済学部教授
研究課題名 地域循環型社会に向けた「木の駅」方式の地域通貨による資源管理に関する研究
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地域通貨ブームは2008年頃に終わりましたが、近年、例外的に数を伸ばしているのが「木の駅」における地域通貨です。「木の駅」は中山間地での自然資源の循環の構築を念頭に置き、搬入された間伐材の対価として地域通貨を支払い、間伐材は可能な限り地域で活用し、また地域通貨は地域の個人商店等で使用される仕組みです。本研究は、60弱ある「木の駅」の運営の実態や、代表的な「木の駅」におけるメンバーの購買パターンや意識の変化等について明らかにし、地域の自然資源の持続的な活用やそれらの循環性等を図るために地域通貨が果たしうる役割を明らかにしようとするものです。
氏名?職名 小西恵美 経済学部教授
研究課題名 長い18世紀イギリスの都市化における小売業の役割
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本研究は、18世紀から19世紀末までのイギリスの都市化の過程を「質的都市化」と捉え、都市化そのものの概念を再考することを目的とする。鍵となるのは小売業の歴史的意義である。イギリス地方都市の事例を中心に、小売業の展開、特に固定小売店舗の集まる買い物通りの様々な形態と機能、その形成が都市に及ぼした多面的な影響、買い物通りと伝統的取引との対立?補完関係、地域社会との関わり方などについて実証的に検証する。
氏名?職名 小林昭裕 経済学部教授
研究課題名 明治?大正期、北海道の都市公園の開設?改修、公園設計に対する社会文化史的考察
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本研究では、開拓という政策的背景をもとに、港湾都市(函館、小樽、室蘭、釧路)、内陸の殖民都市(旭川、帯広、名寄、北見、滝川)に、明治、大正期に設置された公園の開設?および改修を対象に、公園が成立する場所の立地特性(空間),公園という場所に刻まれた履歴(時間)に対し、市民?行政?団体等の関係者が場所に対する関心?働きかけ(人間)という3要素を統合的に捉える手法で社会文化面の評価を行います。
氏名?職名 佐藤雅幸 経済学部教授
研究課題名 イップスおよびジストニアにおける発症のメカニズムと対処法に関する研究
氏名?職名 中村吉明 経済学部教授
研究課題名 コロナ禍で変容するモビリティ?シェアリングの阻害要因?普及促進方策の解明
氏名?職名 奴田原健悟 経済学部教授
研究課題名 マクロ経済における資産価格変動メカニズムの解明と望ましい経済政策の在り方の研究
氏名?職名 板井広明 経済学部准教授
研究課題名 18世紀末ブリテンにおける女性論の諸相:功利主義的フェミニズムの可能性
氏名?職名 妹尾哲志 法学部教授
研究課題名 シュミット政権期の独米関係に関する総合的研究
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本研究では、1974年から82年までのドイツ連邦共和国(西ドイツ)のヘルムート?シュミット政権期の対アメリカ外交に関して新たに利用可能になった史料等に基づいて考察する。冷戦時代の西ドイツは安全保障面でアメリカに大きく依存していたが、経済面では戦後復興から高度成長を遂げ国際社会での発言権を増してきたのが当該時期にあたる。本研究から得られる知見は、2017年のトランプ政権誕生以降に動揺する独米関係との比較だけでなく、アメリカとの同盟関係という課題を抱える日本外交への示唆という点でも重要な現代的意義を有する。
氏名?職名 大西楠?テア 法学部准教授
研究課題名 外国人労働力受け入れの法理論-社会統合法制を中心として
氏名?職名 青木章通 経営学部教授
研究課題名 サービス業における収益管理の役割期待の変化に関する研究
氏名?職名 根本宮美子 経営学部教授
研究課題名 人事におけるジェンダーバイアスの日米比較
氏名?職名 間嶋崇 経営学部教授
研究課題名 過剰な情報セキュリティ対策が生じるメカニズムの組織論的探究
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ICTの発展に伴い、企業は顧客や企業自身の安全?安心のため、情報セキュリティにも十分に気を配らなくてはなりません。しかし、気を配り過ぎて対策が過剰になり、仕事の効率性や新しいアイデアを生み出す能力が低下したり、あるいはかえってセキュリティを脅かす事態が生じたりするケースが散見されます。本研究では、そういった過剰な情報セキュリティ対策が企業の組織の仕組みから生じるものと捉え、その発生メカニズムを解明していきます。
氏名?職名 西山貴弘 経営学部准教授
研究課題名 多様な状況における統計的仮説検定方式の開発とその応用
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近年の情報化社会の発展に伴い、日々新しく生まれるデータがますます巨大化し、それらのデータが互いに融合し複雑化する「ビックデータ時代」とよばれる社会になっています。そのため、現実的に起こりうる多種多様な状況に対する新たな統計解析手法の開発の重要性が増しています。本研究では、従来の統計理論を適用することができないような様々な状況の下で、特に統計的仮説検定問題についての理論と方法論の開発を行っています。
氏名?職名 巴山竜来 経営学部准教授
研究課題名 コンピュータ援用による旗領域の組み合せ論的研究
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円や正多角形などの対称的な図形は,回転によって変化しない性質を持っています.このように対称性を持つかたちは,そのかたちを不変に保つ変換の集まりを調べることによって研究することができます.この研究ではコンピュータを駆使し,そういった変換の構造を研究します.また図形の変換に関する基礎理論をコンピュータグラフィックスに応用することも視野に入れています.
氏名?職名 中村世名 経営学部講師
研究課題名 企業の市場適応行動パターンとその成果:製品ポートフォリオの動態的分析に基づいて
氏名?職名 石川和男 商学部教授
研究課題名 小規模零細小売?サービス事業者の事業承継課題と伝達ノウハウに関する研究
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日本では後継者不在を理由として廃業を選択する事業者(会社)が増加しています。製造業であれば、事業承継にあたり製造技術など伝達すべきノウハウが多くあります。他方、小売業や卸売業、さらにサービス業では事業承継の際に伝達すべきノウハウと呼ぶに相応しいものが存在するのか、あるとすればそれは家族の中でしか伝達できないのか。それらノウハウは、第三者には伝達できないものなのかを研究することが課題です。
氏名?職名 伊藤和憲 商学部教授
研究課題名 統合報告の価値創造に関する情報利用の研究
氏名?職名 奥瀬喜之 商学部教授
研究課題名 視線動向データを踏まえた消費者の価格知覚に関する研究
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この研究では、価格情報が提示された際の消費者の目の動きのデータを分析し、小売店舗や広告、ウェブ画面などでの効果的な価格の提示方法について検討していきます。消費者が提示された価格をどう知覚するのかについては、これまでにも数多くの研究がなされてきましたが、その多くはアンケート調査によるデータや購買履歴データを用いたものでした。この研究では新しいアプローチを用いて、消費者の価格知覚に関する知見を得ることを企図しています。
氏名?職名 鹿住倫世 商学部教授
研究課題名 女性の起業におけるやり甲斐、生き甲斐、働き甲斐と政策的支援のあり方に関する研究
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育児等で退職した女性が、趣味や特技、専門技能などを活かして自宅でビジネスを始めることがあります。小規模なので、経済的な成果は小さいかもしれません。しかし、ビジネスを通じて社会とつながっていると感じることで、女性はやり甲斐や生き甲斐、働き甲斐を感じ、前向きに生きていくことができます。子供が大きくなって再就職するときも、心理的なハードルが低くなるかもしれません。女性の起業には、このような意義もあるという事を研究し、支援策のあり方を明らかにします。
氏名?職名 阪本将英 商学部教授
研究課題名 石綿健康被害救済制度の改正に向けた制度設計に関する包括的研究
氏名?職名 櫻井康弘 商学部教授
研究課題名 会計情報システムの組織適合性に関する総合的研究
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会計情報システム(以下,AIS)とは,会計業務とコンピュータ(情報技術)との関係を扱う会計学の領域です。AIS構築問題は情報技術の発展と大きく関係し,情報技術の適用水準の相違はAISの機能を決定する大きな要因となります。しかし,AISの技術的水準の相違は,企業の経営戦略や行動様式といった企業固有の組織特性との関係において説明ができるのではないかと考えられます。本研究ではAIS構築に影響を及ぼす諸要因を明らかにすることが目的となります。
氏名?職名 佐藤由美 商学部教授
研究課題名 日本統治下台湾?朝鮮の師範学校に関する研究
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戦前の教員養成は師範学校で行われていました。それは当時、日本の統治下にあった台湾や朝鮮でも同様でした。この研究では、当時の台湾や朝鮮の師範教育がどうなっていたのか、まずは政策や制度の変遷を明らかにします。次に各師範学校の生徒数や就学状況の実態、教育内容?教育方法について調べ、「内地」の師範学校とも比較しながら、台湾と朝鮮の違い、時期的な違い、都市と地方の違い、学校ごとの特徴を明らかにする計画です。
氏名?職名 瀬下博之 商学部教授
研究課題名 倒産法制における損害賠償請求権の責任負担の在り方についての経済学的研究
氏名?職名 谷守正行 商学部教授
研究課題名 管理会計に対するAIの適合性研究
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本研究では、管理会計に対するAIの適用可能性と限界を研究することによって、管理会計が無意識下の感覚や価値観に作用する機能の本質を解明する。具体的には、管理会計に関する業務機能それぞれに対して「AI検証ツール」を構築し、それを使って実際の企業でアクションリサーチを行い、評価検証する。それにより、管理会計には意識下におけるコントロール機能だけでなく、無意識下におけるフィードフォワード機能の側面があり、その本質を明らかにする。
氏名?職名 田畠真弓 商学部教授
研究課題名 人材紹介会社が東アジアのグローバル人材の国際間移動に果たす役割
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近年、私たちの社会は国際化が大きく進展しています。海外で働く日本人や、外国人が日本で働くケースも急増しています。海外で仕事をさがすにはいったいどうすればよいのでしょうか。国内の就職活動と異なり、海外での仕事探しは、情報不足で途方に暮れる場合も多いのです。そこで、この研究では、日本、台湾、韓国の大卒人材の海外就活状況を調査し、人材紹介会社が海外就活の支援で果たす役割について明らかにします。
氏名?職名 成岡浩一 商学部教授
研究課題名 研究開発投資、イノベーションとその会計?開示行動
氏名?職名 西居豪 商学部教授
研究課題名 戦略的業績評価システムにおける因果的な指標間関係の複雑さに関する研究
氏名?職名菱山淳 商学部教授
研究課題名リース取引に関する資本化回避行動の分析
氏名?職名 本田竜広 商学部教授
研究課題名 有限無限次元複素バナッハ空間の等質単位球上の正則写像に関する研究
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数学の中でも、解析学の多変数函数論の分野の研究に位置づけされます。解析対象の局所的な極一部の現象を精緻に分析し、変化を的確にとらえると、全体での性質を知ることができるのが面白く興味深いところです。本研究の等質性や対称性をもつ領域の理論は、例えば、リニア?モーターカーにおいて、磁場から遮蔽するという条件のもとでのシールド最適設計問題の解法への応用が報告されています。
氏名?職名 大崎恒次 商学部准教授
研究課題名 ニューノーマル時代の健康経営:若者世代の身体的?精神的?社会的健康に着目して
氏名?職名 新田晴彦 商学部兼任講師
研究課題名 英語母語話者の航空管制通話と日本人リスニング能力の限界
氏名?職名 伊藤博明 文学部教授
研究課題名 近世におけるシビュラ図像の流布と展開
氏名?職名 植村八潮 文学部教授
研究課題名 学校図書館を中心とした雑誌利活用教育の実態?可能性に関する実証的研究
氏名?職名 鬼嶋淳 文学部教授
研究課題名 戦後日本の地域形成に関する歴史的研究
氏名?職名 末廣 幹 文学部教授
研究課題名 近代イギリスのコメディ?オヴ?マナーズの発展と都市空間の変貌の相関関係の研究
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イギリスにおける喜劇の王道的なジャンルは、それぞれの共同体において成立していたマナーズ(風習/慣習)を取り上げるコメディ?オヴ?マナーズです。この研究では、17世紀後半以降の社会の変化、とくにロンドンの都市空間の変貌に注目しながら、コメディ?オヴ?マナーズの発展との相関関係を検討し、1660年代から18世紀にかけて、このジャンルが、同時代の都市空間の変貌を研究する上できわめて重要な対象であったことを明らかにするものです。
氏名?職名 中垣恒太郎 文学部教授
研究課題名 「放浪者」像の比較文学――「アメリカ」的物語の文化政治学
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本研究課題はアメリカ大衆文化における「放浪者」表象を比較文学の見地から展望します。文学、映画やフォーク?ソングをめぐるメディア横断的視座、さらに、ホーボー、ヴァガボンド、ボヘミアン、フラヌール、瘋癲(ふうてん)などの概念をも比較参照し、テクノロジーの発展による労働環境の変化などの時代背景、現代の渡り労働者たちの姿、中南米をはじめとする移民の視点、階級の問題などにも目を向けることにより、分断が進むアメリカの現況と課題を探ることを目指します。